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書評 - 頭のいい人が話す前に考えていること

はじめに

最近仕事をしている上でセルフマーケティングだったり、理解力が欠けているような気がして、もう少しいい感じに仕事の効率上げたいなと思っていたので仕事の仕方や話し方、理解力などに関する本をamazonで漁っていた時に「コンサルなのに口下手」な著者が「話す前に頭の良さは決まっている。」というコンセプトを掲げているのをamazonで見て、「あ、そうそう。口下手な人はどのように振る舞えばいいのかな?」っという問いが解決されそうだったので読んでみた。 kindleで読んだのだがボリュームはそこまで大量にあるわけではなく350ページくらいのボリューム感だが、文字がそこまでビチビチに敷き詰められているわけでもなかったので割とすぐ読めた。(だいたい4,5時間くらいかな。)自分は読むのが遅めなので、もっと早く読める人は2時間とかで読めるのではないだろうか。

感想としては、一部既知のことが述べられてはいるものの、相手の話をちゃんと聞きなさい。というところがまさしく自分に当てはまっていたので、そのまま読み進めてみると「頭の良さを決めるのは誰か」「承認欲求をコントロールできるものがコミュニケーションの強者になる」「考えるとは整理すること」「言語化の質がアウトプットの質を高める」などの章で自分の不足箇所をわかりやすく解説してもらったような気がした。

喋るのが苦手でセルフマーケティングや、相手の話をちゃんと聞くのが苦手で何を話していたのかすぐにわからなくなるような人は一度この本を読んで相手の言っていることをちゃんと聞いてから、ちゃんと考えられるようにした方がいいかもしれない。特に現代は情報量が多く、集中力散漫になる傾向が高いので、本書に書かれていることを実践することでインプット・アウトプットの質が高くなるような気がする。 特に自分は相手が話している最中に別のことを考えてしまって、相手の話が途中で耳に入ってこなくなっていたので、耳に入ってこなくなって以降の相手の話を全く覚えていなかった。本書で書かれている、「聞く、とちゃんと聞くは違う」というところで確かになと思い、意識的に人の話をちゃんと聞くようにして、相手の話が終わるまでは自分の思考を巡らせないように生業するようにしたら幾分かはマシになった。ただ、まだ日が浅いので、もう少し時間が経って相手の話に意識を向けることに慣れたらもう少しマシになるだろうとは思っている。

第1章

この章では信頼をもたらす7つの黄金法則について述べられている。この7つの法則を軸として、残りの2〜5章ではそれらの細かい技術や捕捉事項などを述べている。

黄金法則:

  1. とにかく反応するな
  2. 頭の良さは他人が決める
  3. 人はちゃんと考えてくれる人を信頼する
  4. 人と闘うな、課題と闘え
  5. 伝わらないのは、話し方ではなく考えが足りないせい
  6. 知識は誰かのために使って初めて知性となる
  7. 承認欲求を満たす側に回れ

「1. とにかく反応するな」

他の書籍でもよく述べられているように感情的になっている時、怒っている時は特に頭が悪くなるので以下の法則を守って怒っている時は自分は冷静ではないということを客観的に見れるようにして、バカな発言をしないようにしろということ。 ①すぐに口を開かない ②相手がどう反応するか、いくつか案を考えて比較検討する

2.頭の良さは他人がきめる」

この章は結構気づきが与えられた。学生時代までの頭の良さはテスの点数や偏差値などわかりやすい指標だったが、社会人になってからはそのようなわかりやすい指標はなく、明確に頭の良さを計りづらい。 しかし、頭が良い人が上位に存在できるのは確かではある。では、その頭の良さというのはどうやって決まるのだろうか?

それがこの章で言われている、「頭の良さは他人が決める」ということだ。 どれだけ勉強できて、どれだけ知識を知っていたとしてもそれを知っていることを他人が知らなければ何も役には立たないし、頼られることもない。人から認めてもらうには人にこの人は頭が良い、使える人だというのを知らしめなければいけない。

この章で出てきた例えでわかりやすかったのが「無人の山で木が倒れたら音はするのか?」という例えで、確かに無人の山で木が倒れたとしても音波は発生するが、音は誰の耳にもとどかない。これと同じで、あなたがどれだけ物知りで、どれだけ強強な能力を持っていたとしてもそれを周りの人が知らなかったら何も持っていないのと一緒である。

この章を読んで自分はもう少し周りにアピールする努力が足りないなと思い、GW明けから輪読会や勉強会を開催してある程度人にどれだけ知識量があるかを認めてもらう足掛かりにしようと思う。これを機に勉強会で得た知識を社内発信してもっと頼られる存在になるべきだというのに気づいた。

4. 人と闘うな、課題と闘え

最近はひろゆきの論破ショーが流行っているが、仕事を行う上で大事なのは人を論破するのではなく、課題を解消していくことだ。 相手を論破しても何も前に進まないので、論破している暇があったら課題に向き合って課題を解決しろ。というシンプルなアドバイスである。

3つ目のポイントで述べられていたのだが、信頼してもらうには相手に「この人は自分のことをちゃんと考えてくれる人なんだな」と思ってもらうことが先決で論破することではない。論破したところで相手との関係が悪くなるだけなので仕事を進める上では何も意味はない。

引用になるが本書では以下のように述べられていた。

ちゃんと考えて話すというのは、〝相手の言っていることから、その奥に潜む想いを想像して話す〟ということでもあります。そしてそれは、学校的知性ではなく社会的知性がもたらすものなのです。

安達 裕哉. 頭のいい人が話す前に考えていること (p.88). Kindle 版.

社会的知性とは学校的知性の逆で学校のテストなどの物差しでは測れないEQのような存在で、これを伸ばすことで仕事での成果を上げられるというのを本書では述べている。

5. 伝わらないのは、話し方ではなく考えが足りないせい

ここはめちゃくちゃシンプルなことを言っていて、「喋り方を上手くしようと喋り方のフレームワークを学んでそれに乗せて話しても相手には伝わらない。大切なのは相手のことをちゃんと考えて話すことだ。そうすれば伝わる」というのを伝えていた。

6. 知識は誰かのために使って初めて知性となる

ここもそんなに難しくない。 知識をひけらかしてもそれは知性とは呼べない。相手を助けるべく知識を総動員してヘルプした時にこそ、知識が知性に変わる。

7. 承認欲求を満たす側に回れ

この部ではコミュニケーションの強者になる方法が述べられていた。 タイトル通りだが、承認欲求を満たしてあげる側にまわることだ。

この章では「カリスマはどのように生まれるのか?」という題目があった。確かにカリスマと聞くと全ての能力が高くて、コミュニケーションも達者という最強イメージがあるので興味をひいた。

ここはわかりやすかったので該当の文章をそのまま引用する。

「相手が承認を求めているのであれば、思い切り承認してやろう。逆に、私が彼に承認されるかどうかは、私が彼に何をしてやったかによる」と。他者からの承認は、肩書きによって得られるものではありません。社長だから、役員だから承認されるのではないのです。肩書きだけで承認してくる人は、立場を利用したいという下心のある、媚を売る人間だけです。では人はどのようなときに、他者を承認したくなるのでしょうか?それは、〝親切にされたとき〟です。つまり、結果を出した上で、他者に親切にできる人が、他者から承認を得て、信頼されるのです。

結果を出した上で、他者に親切にできる人物は徐々に「カリスマ」と呼ばれるようになります。カリスマは自称するものではありません。本人に親切にされた多くの人が、「この人はすごい」と吹聴して回ることで、その人が徐々に神格化されていくのです。実際、カリスマと称される人に直接会ってみると、とても感じのいい人であったり、思った以上に優しい人だったりします。有名人に会って、「意外と普通でした」とコメントする人を見かけますが、これこそ、正直な反応なのです。

安達 裕哉. 頭のいい人が話す前に考えていること (p.114). Kindle 版.

大学時代にめちゃくちゃカリスマ性の高い先輩がいたが、確かにその人は大学でのサークルのリーダーをやっており、そのサークルのイベントなどの設計がとても面白くて、結果を出していた。しかも人には優しかったり、「君はすごいよ」などの相手の承認欲求を満たすような動きもできていた。その人は飲食のバーに正社員として入社したがそこでも1年ほどで全店舗の店長を任せられるような大役についていた。

ただ、これができるのは能力あって初めてできる芸当ではあるのでその前提は必要である。w

だいたい本書の概要は書いたので、ここからは自分が大事だと思ったことをざっくり乗せていく。(あともうそろ飽きてきた)

第2章 なぜ、頭のいい人の話はわかりやすいのか

頭のいい人は話すのが格段に上手いというよりは、話す前に物事をしっかりと理解して、それを整理している。 考えるということは、複雑な物事を整理してシンプルに伝えるようにできることである。そのため、頭のいい人は考える=整理するとなるため、それを誰かに伝える時にはものすごくわかりやすい。確かに、自社のCOOはとても話がわかりやすく、伝わりやすいのだが、話の整理に長けていて複雑な物事もすぐに整理して要点を出している。そこが頭の良さにつながるのだと理解できた。

また、話のわかりづらい人は以下のことができていないというのが述べられていた。

  • 結論から離せない(結論から話すと前置きするにも関わらず、結論を話していない)
  • 事実と意見を分けられない

結論から離せない理由としては「重要な情報」と「その他の雑多な情報」をきちんと分けることができていないから。

最も簡単な結論から話す方法は、結論を知りたい人に「結論は何か?」というのを聞くことだ。そして、補足が必要であれば相手の方から後で聞いてくるだろう。ということです。 確かにこれだったら誰でも結論から離せそうではある。しかし、毎度結論はなにか?というのを聞くことができれば良いのだが、それをできない場合にはどうするのか。

結論とは、自分のしたい話ではなく相手の知りたい内容だ。それを伝えればいいだけのようです。

本書で述べられていた「なぜ結論から離さないといけないのか」というのを意識すれば割と結論から反し出せるのではないかと思う。 以下引用

「相手の聞きたい話を最初にしよう」と聞くと、「そんなのわかれば苦労しないよ」と思う人もいると思います。ここからは、なぜ結論から話さないといけないのかをひもといていきながら、結論から話せるコツをお伝えしていこうと思います。1981年に発売されミリオンセラーを記録した『理科系の作文技術』には結果から述べるべき理由として、このような記述があります。読者がその論文を読むべきか否かを敏速に判断する便を考えて、結論あるいはまとめの内容が〈著者抄録〉として論文の冒頭、表題や著者名などのすぐ次に印刷されることになってきたのである。

安達 裕哉. 頭のいい人が話す前に考えていること (pp.183-184). Kindle 版.

(上記引用で紹介されている『理科系の作文技術』がいくつか本書の引用ででてきたが、これも面白そう。)

これを考えていれば、話し相手にとって最も有益な情報で、自分の話をもっと聞きたくなるような情報こそが良い結論だというのを意識できる。

第3章 ちゃんと考える前に、ちゃんと聞こう

この章では聞くことの重要性が述べられていた。 めちゃくちゃシンプルなことだが、相手の話をちゃんと聞くことは超重要なので、相手の話をちゃんと聞いてから自分の考えを巡らせようということだ。

確かに、自分は相手が話している最中に自分が気になったことを考えてしまう癖があり、その間は相手の話が入ってこない。そりゃ聞いてていても記憶に残らないので聞き逃したのと同等な状態になるだろう。 これは自分にとっては特に重要なことだったので普段から意識したい。

まぁ途中だが一旦大事なのはこれくらいかな。

あとは、自分の考えや映画の感想を言語化してノートとかに認めておくことで自分の言語化したリストが増えていって、より語り手として話を出しやすくなるため、インプットだけでなくアウトプットも行うべきだというのが重要かな。

このブログもインプットしただけでなく、アウトプットも取り入れようと思って初めて見た。

GWの最中にはステレンジャーシングスを通して見たので、その内容や感想もどこかで言語化しようかなと思う。 結構オタク側のヒーロー物語でアメリカ映画にはありがちだが、オタク気質な自分としてはめちゃくちゃ面白かった。


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